なくせ核兵器、なくすな9条――愛知宣言
「核戦争に反対する医師の会――
PANW」の活動に参加する私たちは、終戦・被爆60年の今年、第16回“つどい”を名古屋で開催し、核戦争を防止し、核兵器廃絶を求める活動を前進させようと新たな決意を固めあいました。日本国民は、
2000万のアジア諸国民、310万の日本国民の命を奪った第2次世界大戦からの教訓を、加害国の立場からも引き出しました。もう二度と戦争はしないという国民の決意は、日本国憲法第9条「戦争放棄」で高らかにうたわれました。「・・・武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と国際的に公約したのです。国際平和にとって、先駆的な平和憲法9条は60年間、外国に行き、武力で人を殺さなかったという、誇りを生み出しています。過半数を優に超える国民の意思とはうらはらに、国会では「改憲論者」が多数を占めています。自民党新憲法起草委員会は、
10月中に草案を提出予定です。アメリカの一国世界支配に追随し、アメリカの戦争に参加し、戦争をする国に変えようとする力はその勢いを増しています。日本の知性を代表する有識者から出された「九条の会」アピールにこたえ、1年余で全国に3200を超える「九条の会」が結成されています。2004年度の被爆者数は、26万6598人、1年間で7320人の被爆者が亡くなられました。被爆者の平均年齢は73才と高齢化しています。世界に被爆の実相を伝え、核兵器廃絶運動の先頭にたってきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は、今日まで4回、ノーベル平和賞にノミネートされています。今、原爆症認定制度の抜本的転換、被爆者行政の改善、核兵器廃絶への世論の高揚を掲げ、全国で原爆症認定集団訴訟を取り組んでいます。日常的に被爆者医療に携わる私たちは、国内外の被爆者の苦難に満ちた60年の人生に思いを馳せ、この裁判の勝利に向け被爆者とともに全力で奮闘するものです。
私たちは
IPPNWに結集する世界の医師たちとともに、核廃絶を求め活動する諸組織と連帯し活動しています。世界には今なお1万5千発の核弾頭がいつでも使用可能な状態で配置されています。イラクでは劣化ウラン弾の被害に苦しみ、カンボジアはじめ多くの国の子どもたちが地雷で手足を失う悲劇が毎日のように起こっています。日本では米軍基地の強化・再編が国民の税金で賄われ、基地周辺の人々を危険にさらすだけでなく、環境破壊さえ起こしています。なによりも平和憲法第9条が危機にさらされています。日本国憲法第9条を守る国民的大運動を一層強化するよう呼びかけます。人間の生命と健康を守ることを社会的使命として、働き、学ぶ医師・歯科医師・医学者の皆さんに訴えます。「核戦争に反対する医師の会」の活動にご参加ください!
「平和とは、どこかで進行している戦争を知らずにいられる、つかの間の優雅な無知だ」(ビンセント・ミレー
1940年)とならないためにも、「平和への文化」の創造に奮闘しましょう。2005
年10月23日第
16回核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める集いIN愛知